ログハウスを建てる職人を育てるには、やはり魅力的な仕事をしていかなくてはいけない。
丸太と格闘するには、情熱も体力も必要だと感じています。
職人にどんな資質が必要かというと、好きだという事以外に、どういう事がしたいかそれを達成するにはどうすれば良いか、
自分で考えられる事も大切です。
ログビルダーと、一般の大工さんとの大きな違いは、角材を使うか、伐りだした丸太をどう使うかです。
角材だとある程度、同じスキルを積む事で技術が上がり、次のステップへ向かう事ができますが、
ログの場合、丸太により取り組みが違って来ます。
ある程度道具が使えだしたら、一本の丸太と一人で向かい合いますが、どう使うかは自分で決めます。
大工さんのように、墨付けは棟梁だけでやり、刻みは他の職人がやるシステムとは違い、
責任をもって仕事をするまでの時間が早いのが特徴です。
これは長所でもあり、短所でもあります。
技術の伝承という意味ではが、同じ仕事でも、時間をかける事により深みを出せる事があり、時間は大切だと感じています。
ログビルダーの仕事は、ある意味、生け花と似ているような気がします。
セオリーはありますが、どう使えば一番素材が生きるかは、自分次第。
丸太に対する責任を感じながら刻みます。
これには、持って生まれた素質と、良いものを作ると言う執念がないと、良いものはできません。
だから大量生産には向かず、アイビーログ工房は、年間2~3棟の家を毎、毎年細々と建てています。
技術の継承には、仕事が必要。職人生活に未来の希望を持てるかが非常に大切です。
年間20棟~50棟建てている工務店や、ハウスメーカーとは全く仕事の取組みが違い、人を育てにくいのです。
1棟1棟が作品といった感じで、思い入れも皆持っていますが、
ハンドメイドの世界では、技術を磨き、他より、より良い物を作る事は必須です。
数をこなす事により技術は上がるので、難しい選択です。
地道に、良い物を作って行く執念を育てる会社にしたいと、切に感じています。
毎週水曜日、午前7時55分にFM高知の番組をやっています。
「くさる家に住んでみんかえー。」で、新人の村上君がアナウンサーの横山さんに、「伝説のログビルダーに成ってください。」
と言われ、「はい頑張ります。」と答えました。
以来彼のニックネームは「伝説のビルダー」。
本当に伝説になって欲しいと思っています。
彼が情熱を持続ければ。その資質はあります。
何より若いという事。物事に興味を持ち、フットワークが軽い事。
労働を厭わない事。ログが好きである事。
アイビーログ工房に来て、一年経ち、ようやく、ようやく体が出来て来ました。
頑張れ。